民族のモザイク社会といわれるカナダでは、多くの民族がそれぞれの文化を維持しながら一つの国を作り上げています。私達もカナダに暮らす日本人として、生まれ育った日本文化の良さを大切に守って行くと同時に、他の多様な文化とその社会的背景を理解し尊重して行きたいと思います。折りしもカナダは多様文化主義を推進する中で、私達も先人の日系人の方々に学び、今後も異文化間コミュニケーションを課題として、カナダにハーモニーの輪を広げるため努力しています。
HICの活動
一つは年一回のニュースレター「ハーモニーニュース]の発行です。トロント近郊はもとより、世界各地で支援を送って下さる方々に配布しています。内外からの寄稿を中心に私達の活動報告を織り交ぜたこのニュースレターは私達の足跡を記すものです。また、マイノリティーのコミュニティー誌として、オタワの国立図書館にも毎回送られています。昨年は高齢化社会を考え、「老いゆく親への想い」をテーマにしました。
二つには読書会、勉強会、座談会、講演会などの活動があります。創立当初は、日本の国籍法や戸籍法の改正について、またカナダの歴史についても勉強し講演会を行いました。また、私達の子供の将来を考え、「日本語継承問題」、「フレンチ・イマージョン・システム」、「オンタリオ州の教育制度」について、更には「現代の家族を考える」等の勉強会や講演会も行いました。自分達の将来についても熟年期の精神面、財政面を考える講演会、またはカナダや日本で活躍されている文化人、キャリアウーマン、アーティストの方々との交流会や講演会を行うなど幅広い活動を続けています。
三つには会員間の親睦です。上記一、二にも重なりますが、女性同士の貴重な情報交換は得難いもので、時には家族ぐるみの交流にも発展しています。
クラブの創立10周年目の1992年には、こうした日頃の活動を広く日系及びカナダ社会に公開し、還元したいものと「HIクラブ10周年記念ー桐島洋子講演会」「10周年記念誌作成」「日系社会への寄付」「会員随筆集作製」の4大行事を成功させました。